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小林よしのり
2019.7.27 10:11日々の出来事

『おぼっちゃまくん』の苦しみと感想

今日は午後に元ネトウヨとの座談会がある。
泣かしてしまうかもしれんので、嗚咽の表現をどうするか、
ライター氏は考えてほしい。
(嗚咽)と書くか、「ぐふっ、うぐぐぐ・・」と書くかだ。

わしは今、『おぼっちゃまくん』のコンテだが、かつてない
どん詰まり状態で、さっぱり描けない。
だが、このままだと間に合わなくなる。
たった16ページにストーリーを詰め込もうとしてるから
ダメなのかもしれない。
ギャグだけで連結していく描き方に転換して、コンテを2p
か4pづつでも仕事場に送って行こうと思う。
とにかくペン入れに着手しないと間に合わない。
ギャグ漫画を描く苦しさはどうせ誰にも分からない。

しかし、『おぼっちゃまくん』単行本の愛読者カードに
「本当にパワーアップして帰って来たと思っています。
笑いはもちろん、隠されたテーマで考えさせられる充実
した一冊でした」という感想があった。
「とっても楽しいご本でした。読むと元気が出てくるので、
枕元に置いておきたいです。出てくる子供が、み~~んな
可愛いですね。脇役の子でも可愛い。とくにレラちゃんが
もうめっちゃ可愛らしいです。ちっちゃくてコロコロモコ
モコしていて、幸せになってほしい」という感想もあった。
こういう感想を言われちゃ、どんなに苦しくても描こう
と思ってしまう。

いつか「小林よしのりは60歳過ぎてもまだギャグ漫画を
描いていた」と言われる日が来るだろう。
「しかも鋭い政治・社会評論の漫画と共に」と評価される
はずだと信じ込んで描くのだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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